2011年12月29日木曜日

2011年を振り返って

2011年もいよいよ終わり。
年の瀬だなあ、なんて思ってた頃に
Google Zeitgeist 2011を観た。

これは、Googleがまとめた2011年のreviewなのだが、
これがとても良くできている。

2011年、振り返ってみると、
まず、1月にチュニジアでジャスミン革命が起きたのだが、
2009年に訪れたあの場所で、まさかこんなことが起きようとは。

カルタゴの近郊で見た、大統領の別荘は、
確かに大きくて、権力の象徴だったのだが、
それも今は破壊されただろうか。

3月の大震災の時は、たまたま日本に戻っていた。
テレビで刻一刻と流れる映像は衝撃的だったし、
翌々日の13日の飛行機で日本を離れたのだが、
余震が続く成田空港が、見たこともない混雑ぶりだったことは
いまだによく覚えている。

夏頃から、ユーロの通貨危機が現実味を
帯びてきて、あっというまにユーロ安に。
11月にフランクフルトで見た、
ECBの前の泊まり込みデモは、
なんだか悲しかった。

4月にはギリシャに行っていたのだが、
あの裏側にはこんな危機が潜んでいたのか。

夏にはタイで洪水があり、
昔一緒に仕事をした会社や、
一緒に仕事をした仲間のことが気になって仕方がなかった。

10月にはスティーブジョブスが亡くなった。
この冬にはiPadを使い始めた。
iPhoneには正直あまり凄さを感じなかったのだが、
iPadの持つ可能性には驚かされた。

久しぶりにAppleって、すごいなあと思ったのだが、
その時すでにスティーブジョブスは亡くなっていた。

訃報では、2月のGary Mooreには驚いた。
学生時代、少しギターをやっていたけど、
僕は彼の「泣きのギター」が大好きだった。

何も起きない年などはないのだが、
自分自身も、
フランスでの4年目ということで、
少し物の見方を変えるようにしたこともあって、
振り返ってみると、今年は特別な年だったと思う。

そして、冒頭のGoogleの動画を観て、
人間の持つエネルギー、可能性に心を動かされた。

2012年、どんな年になるのだろうか。
あと少しで始まりです。

2011年12月5日月曜日

映画「Public Enemies」を観た

怒濤の映画紹介になってきました。
でも、しかたありません。
実際怒濤のように観たのですから。

ジョニーデップ主演のこの映画、
舞台は大恐慌時代のアメリカ。
銀行を次々に襲うギャング、ジョン・デリンジャーの実話を題材にしています。

彼はFBIからはPublic Enemiesと称されながらも、
金を溜め込んでいる銀行に反発心を持っている大衆からは支持されます。

そんな彼とFBIの戦いを描いたこの映画、
確かにジョニーデップはかっこいいし、
舞台の設定も悪くないのだが、
なにか物足りない。

コメディと違う、シリアスな題材だから、
なにか心に残るものが必要だとは思うのだが、
それが見当たらなかった。

こういう題材って映画にするの、
難しいのかな。

映画「ハングオーバー2」を観た

10月の一時帰国の機内で、
1に引き続き2も観た。

基本的な設定や、話の展開は1と同じ。
ただ舞台はタイ。

1同様に、記憶をなくした男3人組が、
何が昨晩起きたかを探っていくミステリーパロディ。
今回は前回(1)の反省を踏まえて、
結婚式会場の外のビーチで、
軽くビールで乾杯、のはずだったのですが。

本当、くだらないけど、結構笑っちゃいます。
お酒はほどほどにしないとね。。。

映画「ハングオーバー」を観た

この映画も10月の一時帰国の機内で観た一本。

舞台はアメリカ。
3人組の男友達の一人が結婚するということで、
バチェラーパーティーということで
ラスベガスで盛り上がろう!

ホテルにチェックインして、さあ、夜のべガスへ。。。
で、ふと気づくと、翌朝、ホテルの部屋で目覚めるわけですよ。

昨晩の記憶は全くない。
おまけに部屋はめちゃくちゃ。
知らない赤ん坊はいるし、バスルームには虎がいる。
そして新郎となる友人は行方不明。

いったい昨晩、何があったんだ。。。
ふらふらしながら、外に出て、そこから昨晩の出来事を
ミステリーのように謎解きをしながら、解明していくという話。

たった一晩で、そんなことがあったのか!
と叫びたくなるほどのハチャメチャぶりが、
徐々に解き明かされ、最後のエンドロールで
種明かしです。

くだらない映画かもしれませんが、
テンポもよく、皆が寝静まった機内で、
笑いをこらえるのが大変でした。

映画「モンテカルロ」を観た。

日本往復の飛行機の中では、
時差対策で(現地の夕方着なので)
ずっと起きているので、映画をたくさん観ることが多い。
だいたい片道4本くらいは観るかな。

この「モンテカルロ」もそのうちの1本。
日本では公開されてないようです。

テキサスの3人娘がパリに旅行に来るのだが、
入ったツアーが最悪。

そんな中、3人娘の1人が、セレブでわがままな有名人に似ているということで、
その有名人になりすまして、
モンテカルロに行くというもの。

3人の性格(価値観)は全員違うのだが、
モンテカルロに滞在中、
セレブな日々を過ごすなかで
新たな自分を見つけるような、
そんな恋愛をしていきます。

設定としては、少し現実離れしてるのですが、
気楽に楽しめる1本です。

機内で観るのには最適かも。

2011年11月10日木曜日

スティーブジョブスの死で思うこと

スティーブジョブスが亡くなった。

彼亡き後のAppleはどうなるのだろうか。

僕にとっては、Apple、というよりは、
Apple Computerに思い入れが強い。

最初にMacintoshに出会ったのは、
1997年頃、大学の研究室で。

レポート作成で必要になるからということで、
PowerBook 190CSを親に買ってもらった。
ゼミにはWindows端末もあったのだが、
助手の薦めでMacにした。
秋葉原の、よくわかんないマンションの一室のような店で買い、
設定は助手の人がしてくれた。

当時からMacはいろいろと設定をカスタマイズできたり、
シェアウェアやフリーソフトが充実していて、
しかもけっこうどれもセンスがよい。
ちょうどインターネットにも触れ始めた頃だったので、
慣れたあとは、いろいろとカスタマイズを楽しんだ。

その後、社会人になり、iMac グラファイトを買った。

その頃、ちょうど初代iPodが出て、
それを購入して、片っ端からCDをiTunesに入れて、
1000 songs in your pocket
を楽しんだ。

またiMovieとデジタルビデオカメラを組み合わせて、
ちょっとした映像の遊びもしたし、
送別する上司や先輩の送別ビデオなんかも
作ったりした。

その後、iBookを買い、今はiMac G4かな?を使用中。

結局PCといえばMacしか買ってないので、
Mac信者といえばそうなのだが、
2005年頃からは、だんだんappleの世界に
ついていけなくなった。

それがどうしてなのかはわからない。

もしかすると、
あまりにソフトやサービスに重きが
おかれるようになってしまったからかもしれない。

そしてそれはスティーブジョブスの復帰により、
彼のビジョンが具現化されるようになったからだろうか。

Appleが社名からComputerを外したのが
何年かは思い出せないが、
けっこうショックだったことは覚えている。

結局のところ、
僕が好きだったAppleというのは、
実はスティーブジョブスがAppleに戻る前のAppleだったのではないかと。

でも今後もApple製品を使うので、
彼の偉大さを実感するのは、
実はこの先かもしれないな。

2011年7月23日土曜日

冴えない天気

7月に入り、暦上はすっかりバカンスのはずですが、
今年は天気があまりよくありません。

5月、6月は暑い日が多く、
「この時期でこんなに暑かったら夏はどうなるんだろう」
と思っていたのですが、
そんな心配は今はどこにいってしまったのやら。。。。

みんなこの7月8月をどう楽しもうかと
それをある意味で、糧として仕事を頑張って来たのですが
この天気で、ガッカリ肩を落としています。

南はそこまで悪くなさそうですが、
フランス中央や北の地方は
8月上旬まで悪い天気は続きそうですね。
本当に残念です。

2011年7月14日木曜日

シャブリ村

フォントネー修道院を訪ねた後は、シャブリ村へ。
白ワインとして有名な「シャブリ」がつくられる村です。

どこまでも続く丘陵地帯、
そしてその斜面はほとんどが葡萄畑という中に
ぽつんとシャブリ村はあります。

ワインとしてのシャブリとしては
もちろん有名だけど、
村は小さく、素朴。
日曜日だったこともあり、閑散としていた。
開いているのは、レストランとワインのカーブくらい。

ふらっと入ったレストランで、昼食。
もちろん飲むのはシャブリ。

この日はほどよい暑さで、きりっとしたシャブリと
前菜のムールの冷たいスープが妙にマッチしていた。

とても感じのよい村でした。

2011年7月13日水曜日

フォントネー修道院

ブルゴーニュの旅、2日目はBeauneを離れ、フォントネー修道院に行きました。

この世界遺産を訪れるのは2度目。
最初に訪れたのは2008年の5月。
また行きたいと思っていたので
再び訪れることができてうれしい。

これまでたくさんの修道院を見てきたけれど
ここは本当に美しい。

ものすごい山奥にあるので、とっても静かです。

この修道院を建てた聖ベルナールは、清貧、質素を
厳格に守るシトー会を創設した人でもあり、
その流儀そのままです。


建物の中には装飾類はほとんどなく、
部屋も実用的なものばかり。


ここの回廊と中庭は本当に素敵です。
奇麗に整備された、でも本当に飾り気がほとんどない庭。
回廊の柱もとてもシンプルです。
見ていても疲れないので、ずっといられます。


アクセスが悪いのが残念ですが、
それも魅力のひとつかもしれません。

2008年5月に訪れたときの写真はこちら

2011年7月10日日曜日

ブルゴーニュに行ってきました

先日会社の人とブルゴーニュに行ってきました。


中心地Beauneまでは、オルレアンから車で3時間強。

まずはHotel Dieuをさらっと見てから、

ワイン畑を回りながらカーヴを巡る現地のツアーに参加。


車で色々な畑を回るのがほとんどですが、

ここだけは止まって見学。





ロマネコンティの畑です。

確か年に5000本ほどしかつくられない、幻のワインの畑です。

1本50万円だとか。。。。


ちなみに、このロマネコンティの畑のあるVosne-Romanée村は

他にも高級ワインの畑が目白押しです。


小さなあぜ道を挟んで

Romanée-Saint-VivantやRichebourgがあり

少し離れたところにはLa Tacheがあります。


ガイドの人に「本当にすぐ隣だけど、味は違うの?」と聞いたところ

「 (自分は飲んだことないけど) 違う!」とのことです。

ほんの数mで値段ががらっと変わるワインってなんだか不思議です。


ブルゴーニュには3回ほど来ているけど、

いつも誰かを連れてきているので

このツアーも確か3回目。


それでもなぜか飽きません。

それは、おそらくブルゴーニュがワインを畑単位で

きっちり管理しているからだと思う。


ブルゴーニュに行くと、ワイン畑マップが売られているが

それを見ると、小さな小さな畑まできちんと載っていて

ほとんどすべて格付けしてある。


そうやって細かい管理をして、その細かい管理の産物として

その畑(だけのぶどうでつくられた)のワインとして

世の中に出るのだが、そのシステムというか、細かさというか

地図を見ながら、へー、これがこのワイン、

なんて眺めているのが好きなのです。

たいしたワインは飲んだこともないのに。


ワインツアーの途中ではカーヴの地下室を見れたり、

試飲ができたりもします。


もちろん夜にはみんなで

ブルゴーニュワインをレストランでいただきました。


食事のリストよりも分厚いワインリストを眺めていると、

ありました、Vosne-Romanée村のワインが。


さすがにロマネコンティはありませんでしたが、それでも十分に高い!


2011年6月22日水曜日

セーヌ河のディナークルーズ

セーヌ河のディナークルーズに行ってきました。

日中のクルーズは数回経験があったけど、
食事付き、かつ夜のクルーズは初ということで
行く前から楽しみだった。

ただ最後まで悩んだのが服装。
案内には「フォーマルな格好で」とあるし、
実際に口コミとかを見ると、
「回りは皆きちんとしていたので、フォーマルでよかった」
なんて声が割とたくさん。

フランス人がフォーマルな格好を
するのって本当に稀だし、
一ツ星のレストランでも、あまり見ないという自分の経験から、
(二ツ星以上のレストランははいったことないので不明)
79ユーロということで、ちょっときれい目な格好でいきました。
(チノパンとシャツです)

実際、他の人はというと、
確かにフォーマルな人もいるが、
約半分はくだけた格好の人という感じ。
きれい目な格好をしているのは観光客かな。

なかには虎の着ぐるみを来ている人もいた。
夜のコースは2回転し、
最初の出港が18時半で、次が21時。
夏は日が長いので、後半がおすすめだが、
はじめのクルーズが終わってからなので、
出港が遅れることもある。
(実際僕たちもそうだった)

乗ってからはすぐに注文をとられ、
後は外をみながら料理を食べる。
さらにおしゃべりもしてると、
ちょっとせわしない感もあるのだが。。。

でも料理はそこそこ美味しかったし、
なによりも景色がよい。
大きな窓の外をゆっくりと流れていく、
ルーブル美術館、ノートルダム大聖堂、様々な橋。

特にエッフェル塔は圧巻。


あっという間の2時間です。
また行ってもいいかな。

2011年6月5日日曜日

道尾秀介の「ソロモンの犬」を読んだ。

道尾秀介の「ソロモンの犬」を読んだ。
重くはないミステリー小説。

主人公はメッセンジャーのバイトをしている
大学生の秋内静。

彼の大学の他の3人を含めた4人と
ある子供の事故をめぐって人間関係が交差する小説です。

冒頭、ある喫茶店で繰り広げられる4人の会話はどこかぎくしゃくしている。

そしてその理由が明らかにならないまま
舞台は少し前にさかのぼる。
そこでは4名は非常に仲がよい。

いったい彼ら4人の間に何が起きたのか。
それを主人公である秋内静の視点で追う。

設定としては面白いし、
彼らの間の人間関係も面白い。
大学生なので、甘酸っぱい青春のような恋愛もある。

事件の謎が解き明かされていく過程も
なかなか面白いのだが、
いかんせん、肝心の核心の部分が
「えっ、そういうことなの?」
と、思ったのが正直な感じ。

もうすこし何か複雑なものを期待/想像していたので
この点は非常に残念。

直木賞受賞作家っていうから期待してたんだけどな。

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2011年3月26日土曜日

「恋とニュースの作りかた」を観た。

「恋とニュースの作りかた」を観た。
28歳の女性が主人公の軽いタッチで描かれた映画。
雰囲気は「プラダを着た悪魔」に似てる。

主人公の女性は朝のニュース番組の
プロデューサー。

ある冴えないニュース番組のプロデューサーになった
28歳のベッキーは、視聴率を高めるため、
往年のニュースキャスターを活用するのだが、
この往年ニュースキャスターがバリバリ
当時の報道スタイルに固持するために
なかなかうまくフィットしないという話。
往年のキャスターはハリソンフォード。
いい味出してます。

これに恋愛が絡むという感じなのだが
軽い感じで楽しく最後まで観られます。

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2011年3月20日日曜日

椙本孝思の「THE QUIZ」を読んだ

椙本孝思の「THE QUIZ」を読んだ。

率直に言おう、非常に読むのがつらい本だった。
話が難しいという訳ではないし、表現が難しいという訳でもない。
話の内容がつらいのだ。

ストーリーとしては、ドラマの「ライアーゲーム」のような感じか。
他人を出し抜いて、勝者を決めるクイズ番組の話なのだが
とにかく全てがつらい。
参加者の背景、各人の発言、行動、そして結末、
全てが怖いし、読んでいてつらいのだ。

もしかすると人間の心理を、とてもうまく観察しているのかと思ったのだが
だからこそ、このストーリー展開は恐ろしい。

幸い、明るい飛行機の中でこの本を読んだのだが
一人で夜読んだとするならば
夢に出てきそうなくらい、ショッキングなシーンが随所に出てきます。

おすすめはしないけど、興味がある人は読んでみてください。


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2011年3月13日日曜日

巨大地震 3.11

日本に一週間一時帰国していたのだが
その滞在中に地震に遭遇しました。

その瞬間は僕は電車に乗っていたのですが
突然電車は急停車し、
地震があったことを告げるアナウンス。

確かに電車はゆらゆら揺れているし、
電線も震えていました。
その後、徐行運転で最寄りの駅までは
走りましたが、そこで完全に停止。

Twitterを見ると、地震の情報がすごい勢いで流れてる。
その日はそこから動けなかったわけだが、
Twitterなどのネットやニュースの映像で観た
余震、津波、火災といったひっきりなしに
襲ってくる災害はどれもとてもショッキングな
内容でした。

犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに
被災者の方々が一刻も早く
もとの生活に戻られるよう願っています。

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2011年3月5日土曜日

白石一文の「一瞬の光」を読んだ。

白石一文の「一瞬の光」を読んだ。

最近ミステリー/サスペンス系が多かったので
そういう本と比較すると、ずいぶんと平和な話。

主人公は会社員、年齢は僕と同じくらいかな。
会社員としては優秀で、勤務する会社の中心派閥に属している彼は
エリートコースを歩んでいる。
つきあっている彼女も由緒正しいお嬢様。

そんな彼が、ある女性を助けるところからこの物語は始まる。
ちょっと変わった女性。
この女性の感情の起伏が激しいのには理由がある。

仕事に恋愛。本当に日常すぎるほどの日常。
どこにでもある話。
そう言ってしまえばそれまでなのだが
何かに惹かれて一気に読んでしまいました。

それは、例えばこの本の中の話が、
友人の話だったり
もしかすると自分の話だったり、
それくらいに身近に感じられる話だからなのかもしれない。

あるいは、ここフランスにいながら
この本の中から見えてくる、
日本の日常生活に憧れているのかもしれない。

あるいは、この本の中で書かれている人物のように
もっと自分の気持ちに、素直に生きたいと感じているのかもしれない。

読み終わってからも、ついつい手に取って
ぱらぱらと読み返しています。
途中からだったり、最初からだったり。

万人受けする本ではないかもしれませんが
不思議な魅力を感じる一冊でした。

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2011年2月9日水曜日

野沢尚の「リミット」を読んだ

もう、1年くらい前の話ですが
野沢尚の「リミット」を読んだ。

ジャンルとしてはミステリーでいいのかな。

連続幼児誘拐事件を担当する婦人警官が、
ある理由により、
自分の息子を誘拐されてしまう。

身代金を要求するなど、
子供はお金になる、と考える犯行一味と
子供はお金などには変えられない、と考える母親。

複雑な事件の背景を通して見えてくるのが
「母性愛」、「母の強さ」というもの。

ちょっと後半は現実離れな展開かなとも思うのだが、
子供に対する母親の愛情は、
現実にはこれほど強いものなのかもしれない。

事件の背景はショッキングだし、
現実にこのようなことがあるのかと思うと
ぞっとするが、
一気に読める小説だと思います。

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2011年2月4日金曜日

パスポート更新にて思うこと

パスポートの有効期限が来月に迫っていたので
大使館で更新した。

2001年3月から10年間、
このパスポートには本当にお世話になった。

押されたスタンプは130を越え、
日本の出国回数は28回だった。
そして1面に貼られる、中国やフランスのビザ。

シェンゲン加盟国間の移動では、
パスポートのチェックがないから
それを加えると、かなりの国に行ったことになる。

悲しいことに、ある国に行ったからといって
その国のことをすぐに理解することはできない。
逆に自分が母国、日本のことを理解してないことに
気づかせられる。

個人の人生におけるプライオリティ、
宗教感、
気候、風土、社会。
それぞれの国、国民がそれぞれの
歴史の上で作り上げてきたもの、
それは、ちょっとその国にいたからといって
簡単にはわかるものではない。

じゃあこの経験は無意味かと言うと
そうでもない。
分からなくても、なんとか分かろうと
もがくなかで、得るものもあるだろう。

ただ自分にしてみれば、
それは新たに加わる、身に付くものではなくて、
何かを削ること。

それまで、自分には必要だとか
これは持っているのが当たり前だろう、
という価値観が、実はそうはないことが
異国の地で過ごすことで分かり、
それを捨てるという感じ。

きれいに言うと「洗練」なのだが
一歩間違えると、ただの「外国かぶれ」かも。

Voidと抜かれたパスポートを見返しながら
そんなことを考えていた。

あと、忘れてはならないのは
それぞれの地で出会った人たち。
この人たちの存在を無くしては
今の自分はない。

そんないろいろなものを僕に授けてくれた
パスポート。
10年の日記みたいなものですね。

更新したばっかりの
まだまっさらなパスポート。
10年後にはどんな日記が
そこには残されているのだろうか。
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2011年2月2日水曜日

小川糸の「食堂かたつむり」を読んだ。

小川糸の「食堂かたつむり」を読んだ。

恋人と同時に声を失った女性が、自分の田舎で食堂を開き、
自分の母親や村の人達とのふれあいを題材にした本。

僕自身も今年は昨年と比較して
料理をしているほうなので、料理をつくるシーンがあったり
料理が好きな人の料理に対する考え方が書かれていたりすると
それだけで本に惹き込まれた。

話の展開は比較的のんびりしているものの
それなりに物語を大きく変えるような出来事もあり
特に後半は一気に読み切ってしまうような面白さがあります。

家族との関係や親子愛で苦しむ人たち、
いろいろな事情を背負った人たち、が世の中にいるなかで、
愛情を込めた料理というのが癒しになると同時に
とても大切なもののように思います。

ファーストフードや画一的なレストランが増えている中ですが
決して失ってはならない考え方ですね。

食べるのや料理が好きな人にはお勧めの本です。
個人的には台所を充実させたくなりました(笑)。

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2011年1月30日日曜日

新年快楽をオルレアンで

オルレアンに最近できた日本食レストランがある。
けっこう美味しく、時々行くのだが
実はそこは中国人が経営している。

上海から飛び出し、
ポルトガルで和食レストランをやっていた夫婦は
その後、フランスはオルレアンに来たわけだが
旦那さんは鎮江グループのとあるホテルで
働いていたとのこと。
そこではシェフではなかった訳だが
料理も好きで、いろいろと覚えたらしい。

さて、そんな夫婦がお得意様を呼んで
中国の新年を祝いたいと言う。

集まった15人ほどを前に振る舞われたのは
いつもの和食ではなく、中華。

こちらの中華料理はフランス人向けに
味を合わせているので
なかなか外で食べても物足りないのだが
今日は久しぶりにちゃんとした中華を食べた。

麻婆豆腐とか魚を揚げて甘辛ソースあえだったり
饅頭(マントウ)もあったし
もちろん黄酒も。

上海を離れて早5年。
最近は旅行でも行っていないあの街に、
なんだかすぐにでも行きたくなりました。

中国のみなさん、明けましておめでとうございます。

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2011年1月24日月曜日

湊かなえの「告白」を読んだ

湊かなえの「告白」を読んだ。

自分の娘を殺された女性教師が、退職直前の終業式の日に、
自分のクラスの生徒に衝撃の告白をするところから始まる小説。

娘の事件に関連する数名の人たちの、手紙や証言等により
事件の全貌が明らかになっていくのですが
正直ちょっと怖かったです。

最初はとても単純に見えていた事件が
実は各々の抱えている事情により
想像しているより複雑なものになっていくのだが
その各々が抱えている事情というのが現代を象徴していることなので
ここまでの事件/問題が現実には起きていなくても
その断片断片は日常的な事なのかと思うと。

この本の良さの一つに、その構成があると思うのだが
それは映画ではどのように表現されているのだろう。

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2011年1月23日日曜日

Le jounal en francais facile - 簡単なフランス語でのニュース -

フランス語の勉強のために
毎日 Le journal en francais facileというニュースを聞いています。
これはrfiが毎日更新している10分間のニュースなのですが
「簡単なフランス語で」というのがポイントです。

通常のフランス人向けのラジオやテレビのニュースと比較すると
確かに易しい単語を使用してます。
もちろんニュースですので時事に関する単語、
例えば国民投票や糖尿病、催涙弾といった専門用語は
出てきますが。

そして、この10分間の放送、毎日夜22時頃に更新されるのですが
podcastとしてダウンロードする事ができます。
(手動でしなくてはなりませんが)
iPodにいれてしまえば、通勤の途中に繰り返し聴く事ができます。

またサイトにはキャスターのしゃべった文章も見れます。
なので聴いていて分からなかった部分は
実際になんてしゃべっていたのかを確認する事も出来ます。
(特派員のレポートは対象外なのは残念)

僕の使い方としては
毎朝ダウンロードして、通勤時に繰り返し聴きます。
分からないところがあっても、まずはひたすら聴きます。

原稿は朝プリントアウトしますが、通勤時に聴いているときには見ません。
そして家に帰ってきてから、原稿に目を通して
分からない単語とかをチェックして
最後に原稿を見ながら聴いて、余裕があればキャスターと一緒にしゃべります。

ニュースは連続性が高いので、毎日聴いていると
専門用語でも繰り返し出てくるので覚えやすいです。

ちなみに記事がアフリカの比率が高いのだが、それは
- 今の時勢からなのか、
- アフリカからフランスに来たけれど言葉が分からない人向けなのか、
どっちなのだろう。

また日本のニュースと比較すると、人道的、人権に関するニュースが多いですね。
これはお国柄なのかな。

いずれにしても興味ある人は覗いてみてください。

http://www.rfi.fr/lffr/statiques/accueil_apprendre.asp